何を着たらいいのか、の季節に。
2026.10.02Wear


今年は、ずいぶんと秋らしい時間が長いように感じます。
10月に入り、気持ちのいい天気が続く福井。
日中、陽の当たるところではまだ少し暑いくらいの日もあるけれど、朝晩はぐっと気温が下がる。
この寒暖差がちょうどよくて、一日の中でも「気持ちいいな」と思う時間が増えました。
とはいえ、服となると少々悩ましい。
半袖で過ごせる時間はまだまだある。
でも、それだけではなんとなく心許ない。
「今日、何着たらいいんやろ」
このところベルカルテでも、よく飛び交う言葉です。
たしかに今は、ウールのニットにはまだ少し早い。
かといって夏の服のままというわけにもいかない。
そんな今こそ、選びたいのが、着心地のいいカットソーや、コットンのニットソーです。
仕事の日にも、普段の日にも。ちょっと出かける日にも。
特別な一着というより、気づけば何度も手が伸びているもの。
今日はそんな服の話を。

そもそも「ニット=毛」ではありません。
店頭で「ニットです」とお話しすると、
「家で洗えないでしょう?」
という声をよく聞きます。
でも、ここはちょっと面白いところ。
そもそも「ニット」というのは素材の名前ではなく、糸を編んでつくられたもののこと。
だから、ウールのニットもあれば、コットンのニットもあります。
今回ご紹介するものにも、コットンを使ったものがたくさんあります。
肌あたりがよく、伸縮性があって、日常に取り入れやすい。
そして多くは、自宅でお手入れができる。
「ニットだから大事にしまっておく」のではなく、着て、洗って、また着る。
こういう服こそ、日々の洋服としてとてもいいと思っています。

まずは、薄くてやわらかな一枚。
kinako 羽衣タートル
Japan
¥8,140 (7,400)






名前の通り、本当に羽衣のような軽さ。
とてもやわらかく、肌に触れたときの感触がやさしいタートルです。
首元もぴたっと締めつける感じではなく、ふわっと沿う。
薄手なので、一枚で着てもいいし、シャツやジャケットの中にも収まりがいい。
今ならキャミソールやタンクトップの上から、これ一枚。
もう少し気温が下がればシャツやカーディガンを重ねて。
さらに先には、ニットの中に。
薄い服って、一見すると季節が短そうなのですが、実は重ねることでいちばん長く使える服だったりします。
お洗濯はネットに入れて、ご家庭で普通洗いを。
これは気負わず、どんどん着てほしい一枚です。

Tシャツとセーターの、ちょうど間。
gicipi COTONE SOFT
Italy
¥11,000 (10,000)








イタリアの肌着文化を背景に、日常着としての心地よさをずっと作り続けているgicipi。
ベルカルテでも長く扱っていますが、やっぱりこのブランドは着たときに良さが分かる服だと思います。
COTONE SOFTは、その名前の通り、とてもやわらかなコットンニット。
今年はリブを長くした新しいデザインのクルーネックです。
袖口の長いリブが少しだけ手元に表情をつくってくれる。
シンプルだけれど、ただの長袖Tシャツとは違う。
そして、とにかくよく伸びます。
体についてきてくれるのに、窮屈ではない。
この「伸びる」と「戻る」の気持ちよさは、写真ではなかなか伝えにくいところです。
一枚で着てもきれい。
ジャケットやシャツの下に入れても、もたつかない。
まさに今から出番の多い一枚です。

もう少し、服としての存在感が欲しいなら。
KANELL BONAPARTE
France
¥18,480 (16,800)








フランスのKANELLからは、BONAPARTE。
ひと言でいうなら、
カットソー以上、スウェット未満。
このくらいの表現がいちばん近いでしょうか。
生地にはきちんと厚みがある。
けれどスウェットほどスポーティーでも重たくもない。
一枚で着たときにちゃんと「服」になる安心感があります。
パンツに合わせても、スカートに合わせてもいい。
コートの中に着るにはまだ早い今なら、これ一枚で外へ。
少し寒くなったらジャケットや軽いコートを。
何でもないように見えて、着るとバランスがいい。
こういう服は、結局よく着ます。

すっきりと、女性らしく。
KANELL MIDSHIP
France
¥18,480 (16,800)








同じKANELLでも、こちらのMIDSHIPはまた違う表情。
BONAPARTEよりもタイトで、身体に沿うシルエットです。
でも、伸縮性がとても高いので、細身=窮屈ではありません。
首元、肩、腕から身頃へ続くラインがきれいで、一枚で着るととても女性的。
今回の写真を見ても、この服は余計なものを足さない方が美しいなと思います。
もちろんシャツやジャケットを羽織っても。
黒やネイビーのような濃い色だけでなく、淡い色になるとまた印象が変わります。
「ゆったりしているから着心地がいい」だけではなく、身体に沿うのに気持ちがいい。
これも服選びのひとつだと思います。

同じコットンでも、厚みを変える。
gicipi COSTINA
Italy
¥10,450 (9,500)








こちらもgicipi。
これまでメンズでご紹介してきたCOSTINAの、女性サイズが新しく加わりました。
COTONE SOFTよりも少しだけ厚みがあり、ニットソーらしい存在感があります。
柔らかさを優先するならCOTONE SOFT。
もう少し生地の安心感が欲しいならCOSTINA。
同じコットン、同じ長袖でも、着たときの感覚はずいぶん違います。
服選びって、こういうところが面白い。
「どっちがいいですか?」ではなく、
今日はどう着たいか。
それで選べばいいと思います。

そしてこれが、相変わらず、安定安心な、メンズのコスティーナ。
ストレスフリーです。






メンズサイズは新色のグレージュもあります。
写真はベージュに見えるかも。

さらにメンズには、こんな気持ちのいい一枚を。
gicipi THERMAL
Italy
¥12,100 (11,000)







こちらはメンズの新型サーマル。
表面に凹凸のある編み地で、一枚で着ても下着っぽくならず、ほどよい存在感があります。
男性は特に、気温が下がると急に厚手のスウェットやニットへ行きがちですが、その前にこういう一枚があると便利。
今なら一枚で。
少し先にはシャツやジャケットの中に。
そしてもっと寒くなれば、インナーとして。
着る時期を限定しないのが、この手のコットンもののいいところです。

そして、もう少し先の準備も。
William Lockie 別注メリノタートル
Scotland
¥36,300 (33,000)










ここまでコットンの話をしてきましたが、その先にはやっぱりウールがあります。
上質なメリノウールを使った、William Lockieの別注タートル。
これは、今すぐというよりもう少し先の楽しみ。
朝、服を選ぶときに「今日はこれを着よう」と自然に手が伸びる日が、そのうちやってきます。
ウールのニットも、必要以上に怖がることはありません。
素材に合った扱いをすれば、自宅でお手入れできるものもたくさんあります。
大切にすることと、着ないことは別の話。
せっかくなら、たくさん着てもらいたいと思っています。

今は、一枚。
その次は、一枚+一枚。
10月の今は、キャミソールやブラトップ、タンクトップの上に一枚。
10月の終わりから11月になれば、その一枚を主役にしながら、シャツやジャケット、カーディガンを重ねる。
そして本格的なニットを準備する頃へ。
季節が変わるからといって、クローゼットをある日突然、全部入れ替える必要はありません。
一枚から始まって、一枚を重ねる。
それくらいでいい。
「何を着たらいいのか分からない」
そんな時期だからこそ、素材を触って、伸ばして、袖を通してみる。
厚いか薄いか。
ゆったりか、身体に沿うか。
一枚で着たいか、重ねたいか。
ブランドや名前より先に、そんなところから選んでもらえたらと思います。

毎日の服は、特別な日の服より、ずっと着る回数が多いものです。
だからこそ、着た瞬間に「あ、気持ちいい」と思えることは、案外大事。
朝、何を着ようかと考える時間が少し楽になったり、
いつもの仕事へ向かう足取りがほんの少し軽くなったり。
服一枚で人生が変わる、なんて大袈裟なことは言いません。
でも、いつもの一日が、ほんの少し心地よくなる。
そのくらいのことなら、服にはできるんじゃないかなと思っています。
店頭には、今ちょうどそんな一枚がいろいろと揃ってきました。
触って、伸ばして、着比べて。
自分にちょうどいい一枚を探してみてください。
katayama
category : Wear
